今年は梅雨入りはしたものの、なかなか雨が降らずに不思議な感覚でした。
子どものころ、雨の日といえば、靴の中がぐっしょり濡れてしまったり、服が貼りついたり。
なんとなく憂うつで、好きにはなれない存在でした。
でも大人になって、防水の靴やお気に入りの傘を身につけるようになってからは、
雨の中を歩く時間すら楽しめるようになった気がします。
そして何より、雨の日の「おうち時間」を意識するようになってから、
この季節がちょっと楽しみになりました。
皆さんは雨の日にやりたくなること、ありますか?
今日はそんな雨の日に私が楽しんでいる過ごし方を、少しだけご紹介させてください。
① 読書
雨の日の読書は、自然の音に耳を傾け、
窓の外に流れる雨粒をぼんやり眺めながら、本の世界に沈んでいく時間が好きです。
豆を挽いたコーヒーや、お気に入りの紅茶を淹れて、湯気と香りに包まれるのもまたしあわせ。
雨の日は、湿度が高まることで香りの粒子が広がりやすくなるそうです。そんな特別な香りの強さを、ぜひ意識して楽しんでみてください。
心がやわらかくなるような小説や、やさしいエッセイを手に取って。
ほんのひととき、日常からそっと離れる時間です。
『それからはス-プのことばかり考えて暮らした』吉田 篤弘
ある日、古本屋でふと手に取ったレシピ本と出会ったことをきっかけに、彼の暮らしの中に「スープをつくる時間」が生まれていきます。
季節が移ろうなかで、少しずつ整っていく部屋、丁寧に煮込まれるスープ、そして静かにめぐる心の変化──。
大きな事件は起こらないけれど、小さな気づきややさしさが静かに積み重なっていく一冊です。
「ちゃんと食べること」「ていねいに暮らすこと」を、雨音のようにやわらかく思い出させてくれます。
『センス・オブ・ワンダー』
海や森を歩くなかで、子どもと一緒に自然に出会うことの大切さを描いた、エッセイのような手紙のような一冊です。
自然とふれあうことは、知識や情報を教えるだけでなく、共に感じ、驚くこと。大人が子どもと同じ目線で世界を見つめるとき、日常が少し輝き出すような感覚を思い出させてくれる本です。
雨の日、木々のしずくや風の音に耳をすませたくなるような、美しい感性が詰まっています。
② 料理
雨音をBGMに、少しだけ時間をかけた料理をしてみるのも、雨の日ならではの楽しみ。
あとでゆっくり過ごす時間を想像しながら丁寧に作る料理は、それだけで時間の流れをゆっくり感じさせてくれます。
コトコト煮込むスープや、読書や映画のお供になるクッキーやパウンドケーキ。
合間の待ち時間や焼き時間に、何をしようかと考えるのもまた楽しいひとときです。
おすすめのレシピも紹介したいのですが、長くなってしまうのでまた今度。
今日は、のんびり火を入れて、じっくり味わう時間を。
③映画
雨の日は、いつもより時間がゆっくり流れているように感じます。
そんな日は映画館ではなく、家でしっとりと映画を楽しみたいものです。
雨のシーンが印象的な作品や、少し静かなテンポの映画は、心にじんわりとしみわたります。
『わたしは光をにぎっている』
東京の下町にある銭湯を舞台にした、静かでやさしい映画。
大きな事件は起こらないけれど、日々の風景や人とのふれあいの中で、少しずつ心がやわらかくなるような作品です。
ひとつひとつの言葉が、ふっと心に残る。
言葉は少ないのに、映像の印象が深く胸に残って、見終わったあとも静かに余韻が続きました。雨音を聞きながら、ふと自分の中の静けさに気づきたくなるようなときに。
最後のシーンが、今でも心の奥に、小さな灯のように残っています。
『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』
見終わったあと、大切な人に会いたくなる。
タイムトラベルという不思議な要素を持ちながらも、描かれているのはとても日常的で、愛おしい毎日。
家族との時間、恋人との時間、自分自身との時間──
どんな一日も、何気ない瞬間こそがかけがえのないものなんだと、そっと教えてくれる映画です。雨音の中で、もう一度見たくなるような、優しさにあふれた一本。
「今日という一日を、ていねいに生きよう」そんな気持ちになる作品です。
※どちらも2025年7月現在、U-NEXTおよびAmazonプライムレンタルで視聴可能です。
④書き物
ノートを広げて、思いつくことを書きとめたり、日記をつけたり。
外に出られない日こそ、ゆっくりと自分の内側に目を向けられる気がします。
私は普段から書くことが好きで、
思いついたことを書くノート、読書の記録用、スケジュール帳、日記帳など、いくつかのノートを使い分けています。
日々のことを記録していると、思いがけず自分の思いや、
心の奥にあった悩みに気づくこともあります。
雨の日は、自分自身と静かに向き合える、そんな時間になるかもしれません。
⑤散歩
雨の日の散歩は、いつもとは違った風景を見ることができます。
濡れたアスファルトや湿った草木、夜には街灯に照らされた雨粒が流れていく様子など、どれもとても綺麗で、つい、いつまでも歩いていたくなるような気がします。
お気に入りの傘があると、そんな散歩の時間がもっと楽しくなります。
私のお気に入りは、丈夫なビニール傘。強い風でもひっくり返ることなく、透明だからこそ、雨粒の動きや、いつもと違う景色を眺められるところが気に入っています。
夜の灯りに透ける傘の影も、とてもきれいで、買ってよかったと思える一本です。
皆さんは、雨の日の散歩、好きですか?
雨の日は、ちょっとだけ自分を甘やかしてあげたくなる日。
忙しさから一歩離れ、静かな時間に身をゆだねてみる。
そんな小さなご褒美を、暮らしの中に増やしていけたらいいですね。
コメントを残す